第1章 『青椒肉絲』～チンジャオロースー～

　私事ではなはだ恐縮ではあるが、ﾁﾝｼﾞｬｵﾛｰｽｰには少しばかり思い出がある。

私がまだ小学生だった頃、どうしてもあの苦味が嫌でことごとくﾋﾟｰﾏﾝを避けてきた。母親もあの手この手で何とかﾋﾟｰﾏﾝを食べさせようと工夫を凝らしていたみたいだったが、私の舌をごまかすことができなかった。

時は立ち私が中学生に上がった頃、夜の食卓にﾁﾝｼﾞｬｵﾛｰｽｰが出てきた。

当然のことながら、巧みな箸さばきでﾋﾟｰﾏﾝを避けながらﾁﾝｼﾞｬｵﾛｰｽを取り分ける私をよそ目に、ﾁﾝｼﾞｬｵﾛｰｽｰを、とても美味しそうに頬張る父親がとてもカッコよく見えた。

「ﾋﾟｰﾏﾝを食べれるってカッコいいんだ!!」そう強烈に思った。それ以来、カッコ良くなりたい一心で、我慢してﾋﾟｰﾏﾝを食べているうちに、大人になった今ではあの苦味も克服し、とても美味しく食べれるようになった。

あの夜の事は、今でもはっきりと覚えている。

それだけ私にとっては思い出深い料理の一つだ。

ただ、、、「らっきょ」だけは未だに克服できていない…。

5月31日（金）のﾚｷﾞｭﾗｰﾒﾆｭｰは、下記ﾒﾆｭｰに変更となります!!

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